乳化 ・・・ ”水” と ”油” と ”界面” 敵視ばかりしていてもはじまらない

 秋山が千葉(せんよう)の彩りで装う時季です。 肌のコンディションは整っていますか? 冬の気が立ち始めるこれからの季節、肌のうるおいには、より一層気をつけてまいりたいですね。

地球は ” 水とあぶらの星 ”

 うるおい、と言えば ” 水分 ” 。 地球は言わずと知れた ” 水の惑星 ” で、私たちあらゆる生物は、水にいだかれ、水のはたらきで生きており、人もまた

体内の水を外に流出させないしくみが必要となります。 皮膚のタンパク質( = アミノ酸)はもちろんその防護の役割をはたしますが、それとともに重要なのが ” あぶら ” の存在。 皮膚の最も外側にある角質層の水分量は15~20パーセントなのに、体内の60~70パーセントの ” 水 ” を逃がさずにいられるのは、皮膚の ” あぶら ” がはたらいているから。 すべての動植物は、体内の水をまもるためにあぶらを持っています。 水の惑星だからこそ、その反発物質も必要。 地球は別の角度から見ると、” あぶらの星 ” でもあるのです。

身のまわりのあちこちでも見られる ” 乳化 ” 

 水とあぶらは、相反するものですが、ときには混ざり合う必要もあります。 この水とあぶらが混ざり合った ( 水になじみやすくした ) 状態 - これを 「 乳化 」 といいます。 

 たとえば、私たちが、てんぷらのような揚げ物などあぶらを食べるときには、十二指腸や小腸であぶらを乳化して、消化吸収しやすい状態にしています。 

 ほかにも、母乳。 赤ちゃんの喉をうるおす水分でもあり生存と成長に必要な栄養素がすべて含まれています。 乳化されていることで、栄養吸収されやすくなっています。 あるいは、皮膚上には、皮脂(あぶら)と汗(水)が混ざり合った 「 皮脂膜 」が存在します。 これは、ごく薄い ” 天然のスキンクリーム ” とも言うべきもので、肌を外界の刺激からまもる重要な役割をはたしています。 からだや衣服などのあぶら汚れも、うまく水と混ぜ合わせることができれば容易に洗い落とすことができますね。

乳化剤がはたらいてくれる

 こうした場面で、水とあぶらを仲だちし混ざりやすくするものが 「 乳化剤 」 あるいは 「 界面活性剤 」 です。 「 界面 」  というのは、それぞれことなる物質と物質のあいだにある境界面のことです。 たとえば、コップの中に水とあぶらを入れると、やがて分かれて二層になります。 このときの境界面が界面の一例です。 基本的には、そのままではなじみにくく、層は分かれたままの状態が続きやすいですね。 こうした界面の状態になんらかの変化 ( 活性 )を起こす物質が、乳化剤 ( 界面活性剤 )です。

 あぶらものを食べたとき、乳化剤としてはたらくのは、肝臓がつくる「 胆汁(胆のうに貯蔵されています)」 などです。 母乳においては、そこに含まれるタンパク質が水分t脂肪を混ぜる乳化剤となります。 皮膚上で皮脂と汗を混ぜてくれるのは、皮脂に含まれる微量成分や角質層からはがれたあか(タンパク質)といった天然の界面活性剤です。 よこれを落としてくれる脂肪酸石鹸などの洗浄成分もまた、界面活性剤です。

 化粧品というのは、水をあぶらをうまくコントロールして味方につけることで肌を美しく健やかに保つための技術です。 乳化剤 ( 界面活性剤 )というとすべて忌避する向きもありますが、天然界での 「 乳化 」 のありかたにも学びながら、肌にも環境にもやさしい乳化剤をさがしていく努力が必要です。 あるいは、乳化剤を用いず、 「 あえて ” 乳化 ” しない 」 で、水とあぶらを 使うときだけ 混ぜる、というやりかたもあります。 これは 「 用時調整 ( ようじちょうせい )」 というもので、たとえば、使う前に よく振ったりして 水とあぶらを混ぜ合わせるタイプの化粧品なども存在します。   

 

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